共同先端生命医科学専攻で三井記念病院循環器内科の矢作和之先生と岩﨑清隆教授の論文「Hemodynamics with mechanical circulatory support devices using a cardiogenic shock model」が、Scientific Reportsに掲載されました。
本研究では、機械的補助循環デバイスである、ImpellaやVA-ECMO(veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation)、そしてImpella CPとVA-ECMOの同時使用における、血行動態の改善および左心室の負荷に及ぼす影響を評価するための、静脈機能を備えた心原性ショックの血行動態を模した拍動流システムを開発しました。
本研究で実験的に明らかした点は以下の通りです。(1) Impella循環補助装置は前方方向への流れと動脈圧を増加させ拡張期末容積および拡張期末圧を減少させ、左心室の負荷軽減に寄与する。(2) VA-ECMOは、左心室後負荷を増加させ動脈圧を上昇させ、VA-ECMOの流量レベルに応じて大動脈の流れの方向(順行性または逆行性)を変化させる。(3) VA-ECMOはImpella CPと比較して静脈圧を大幅に低下させる(静脈の負荷軽減)。(4) ImpellaとVA-ECMOの併用は、左心室の負荷軽減とともに最大の血行動態サポートをもたらす。
本研究で開発した心原性ショック状態を模した拍動循環シミュレータは、心原性ショック患者の管理における機械的補助循環システムを用いた治療戦略の最適化への洞察を提供するものです。
論文はこちらから(https://www.nature.com/articles/s41598-024-64721-1)。
Scientific Reportsに掲載されました
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