共同研究の論文がBiofabricationに掲載
論文
東京都市大学の坂口勝久先生(元生命理工学専攻)、東京女子医科大学の清水達也先生らとの共同研究に関する論文「Cardiomyocyte sheet stacking using fibrin enables high-speed construction of three-dimensional myocardial tissue and high transplantation efficiency」がBiofabricationに掲載されました。
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1758-5090/adcb6e
三次元組織の開発は、心筋治療や医薬品研究に大きな進展をもたらすと期待されていますが、損傷した心臓の修復には、組織工学によって作製される心筋組織内での血管新生が不可欠です。本研究では、フィブリンを接着剤として用いて心筋細胞シートを積層することにより、極めて高い移植効率を有する三次元心筋組織を迅速に作製する手法を開発しました。フィブリンを用いて作製した多層の血管化細胞シートをラットの皮下組織および心筋梗塞部位に移植した結果、三次元心筋組織の形成が確認されました。さらに、多層心筋細胞シートを1週間間隔で2回移植することで、より厚みのある三次元心筋組織の作製にも成功しました。本研究の成果は、フィブリンを基盤とした迅速積層型細胞シートが組織工学的移植療法の発展に寄与し、再生医療および創薬スクリーニングの分野における次世代組織工学製品の開発を促進する可能性を示唆しています。