本研究は、ランダム化比較試験が行われる前の臨床導入初期段階における手術支援医療機器の臨床的有用性と課題を明らかにするため、眼科手術における術中の光干渉断層撮影( intraoperative optical coherence tomography: iOCT)を対象として、質的エビデンスの統合(Qualitative Evidence Synthesis)方法を開発してシステマティックレビューを実施したものです。網膜手術に関する臨床報告を分析し、iOCTが膜剥離の意思決定を支援し、予期せぬ病変を検出する有用性を持つ一方、機器の誤作動や手術の妨げとなる課題があることを特定し、開発した質的エビデンスの統合方法が、臨床導入初期段階の手術支援医療機器の臨床的有用性と課題を抽出できることを示した初めての研究です。本研究で開発した質的エビデンスの統合方法は、他の手術用イメージングデバイスの評価にも応用が期待されます。
